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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻10号

2005年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム 関節鏡を用いた腱板断裂の治療

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著者: 高岸憲二1

所属機関: 1群馬大学大学院器官機能制御学機能運動外科学

ページ範囲:P.1082 - P.1082

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 肩腱板は肩甲下筋,棘上筋,棘下筋および小円筋の腱性成分から構成され,上腕骨頭を前方・上方・後方から包み込むように存在している.腱板断裂は代表的肩関節疾患の1つであり,長期にわたり肩関節の疼痛と機能障害が持続する.最も損傷を受けやすい腱は棘上筋腱である.棘上筋腱は生体内で2つの骨(肩峰と上腕骨)に挟まれた唯一の腱であることから,肩関節外転時に肩峰,烏口肩峰靱帯によって圧迫,摩擦を受けやすい.棘上筋腱の上腕骨付着部はcritical zoneと言われ,血行が乏しい.以上より年齢とともに腱の変性が起こり,断裂の危険性は増加する.腱板断裂は不全断裂(滑液包側,関節包側および腱内断裂)と完全断裂に分けられる.完全断裂は断裂の形態で,水平断裂,垂直断裂,混合断裂などに分類され,断裂の大きさで,1cm以内が小断裂,1~3cmを中断裂,3~5cmを大断裂,2腱以上および5cm以上を広範囲断裂と分類されている.自覚症状としては,肩関節の疼痛,脱力および機能障害を訴える.

 一般に腱板完全断裂では断裂部位の自然治癒はないと考えられているが,保存療法で症状が改善する患者も多い.安静,NSAIDsなどの薬物療法,理学療法,薬物療法,局麻剤と水溶性ステロイドの混合液やヒアルロン酸ナトリウム溶液を用いた注射療法などの保存的療法が行われ,それらの方法で症状が改善しない症例では手術療法が行われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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