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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻10号

2005年10月発行

文献概要

論述

腰椎不安定性とMRIにおける椎間板変性度の関連

著者: 笠原孝一1 井口哲弘1 金村在哲1 佐藤啓三1 土井田稔2

所属機関: 1神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター 2神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1125 - P.1131

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 L4/5椎間における単純X線像による矢状面での腰椎不安定性(椎間可動角,前後動揺度,中間位すべり度)とMRIを用いた椎間板変性度を,腰・下肢痛を訴えて受診した447例の患者で調査し,両者の関連について検討した.その結果,不安定性を認めた約1/3の患者では,腰椎不安定性と椎間板変性の間には明らかな関連があり,変性が進行するにつれて可動角,動揺度,すべり度の順に異常が出現しており,中間位での前方すべりは椎間板変性の最終段階に近いと考えられた.今後は各不安定性因子の経時的な進行調査が必要である.さらに,変性初期の可動角の異常には,椎間板は正常でhypermobile segmentを呈するものと,初期の椎間板変性を伴うものが混在していると思われた.また,残りの2/3の症例では不安定性を伴わずに椎間板変性が進行しており,今後,不安定性を認めた群との背景因子などについての検討が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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