icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻12号

2005年12月発行

文献概要

論述

60歳代女性で発症する変形性膝関節症の身体的特徴について

著者: 月村規子1 戸田佳孝1

所属機関: 1戸田整形外科リウマチ科クリニック

ページ範囲:P.1293 - P.1298

文献購入ページに移動
 体重に対する下肢筋肉量の割合(下肢筋率)の低下は女性の変形性膝関節症(膝OA)の病因の1つである.本研究では下肢筋率を年齢層別に計測し,膝OA予防のための減量や下肢筋力強化運動がどの年齢層で重要かを検討した.20歳から79歳までの健常女性341例(コントロール群)と発症から3年以内の初期女性膝OA患者256例(膝OA群)の下肢筋率を8極型生体電気抵抗計を用いて計測した.下肢筋率は40歳代,50歳代,60歳代,70歳代に分類し,両群間で比較した.結果として下肢筋率は膝OA群とコントロール群の間で40歳代,50歳代,70歳代では有意差はみられなかったが,60歳代では膝OA群で有意な低値が観察された(p=0.012).下肢筋肉量は加齢とともに低下するが,体重は閉経(日本人平均閉経年齢は50歳)の後,徐々に増加する.このため,特に60歳代では減量や下肢筋力強化に努めることが膝OAの1つの病態として,その身体的特徴を明らかにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら