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誌上シンポジウム 前腕回旋障害の病態と治療
文献概要
前腕回内外運動は遠位および近位橈尺関節間の複合運動で,輪状靱帯,骨間膜,三角線維軟骨複合体などの支持組織,関節の適合性,橈骨と尺骨の骨性形態,回旋軸といった静的因子と回内,回外筋群や回内外運動の方向といった動的因子が複雑に関与する.このため,回内外拘縮は関節構成軟部組織の拘縮に加え,骨折変形治癒などに伴う骨性アライメント不良や関節面の不適合などが合併して発症することが多い.治療はまず骨性因子,関節因子の修復を行い,最終的に軟部組織切離を行う.切離の手順は遠位橈尺関節関節包,骨間膜膜様部の順で,最後に重要な橈尺骨支持機構である三角線維軟骨複合体および骨間膜腱様部を切離すると安全に回内外拘縮を治療できる.
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