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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻2号

2005年02月発行

文献概要

誌上シンポジウム 前腕回旋障害の病態と治療

外傷に伴う前腕回旋障害の病態と治療

著者: 吉田竹志1 田野確郎1 堀木充1 多田浩一1 村瀬剛2

所属機関: 1関西労災病院整形外科 2大阪大学大学院医学系研究科臓器制御医学専攻器官制御学

ページ範囲:P.147 - P.154

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 外傷性に前腕の回旋制限を来す疾患として,肘関節周辺の異所性骨化(特に小児の橈骨頚部骨折を観血的に治療した場合に生ずる近位橈尺関節の異所性骨化),前腕骨骨折後の変形治癒,陳旧性遠位橈尺関節脱臼で尺骨茎状突起が変形治癒した例,遠位橈尺関節の変形性関節症などがある.特に前腕骨の変形治癒に起因する例の頻度が高い.コンピュータシミュレーションでの検討によると,回旋制限の原因として,変形治癒がもたらす近位橈尺関節,遠位橈尺関節,骨間膜などへのストレスの増大が考えられた.治療は骨性に解剖学的な位置に矯正骨切りすることにより良好に改善する.大切なポイントは骨性要素の改善であり,これを改善せず軟部組織のみの解離を行うことは,異常な不安定性を惹起する可能性があり危険であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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