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誌上シンポジウム 前腕回旋障害の病態と治療
文献概要
前腕回旋障害の原因部位は,近位橈尺関節,橈・尺骨骨幹部,骨間膜,遠位橈尺関節の4つに分けられる.しかし,障害部位以外に2次的な拘縮を合併していることもあり,拘縮の解離は,1部位のみならず骨間膜,近位,遠位橈尺関節の解離を順次行わないと回旋域が改善しないことがある.角状変形による回旋障害には矯正骨切り術を適応するが,この場合も軟部組織の解離術を必要とする場合がある.骨幹部の変形が軽度またはない場合は,軟部組織の解離術もしくは治療効果の確実な回旋骨切り術を適応するが,回旋骨切り部位は回旋方向と反対の可動域が減少しにくい尺骨近位部で行うのがよい.保存療法や後療法ではColello-Abraham型装具を用いると効果的である.
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