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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻2号

2005年02月発行

文献概要

症例報告

両上肢荷重でのいわゆる手押し車筋力トレーニングが誘因となった尺骨骨幹部疲労骨折に対して低出力超音波療法が奏効した1例

著者: 鈴木哲平1 八木正義1 岩崎安伸1 藤田健司1 丸野英人1

所属機関: 1新須磨病院整形外科

ページ範囲:P.205 - P.208

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 両上肢荷重でのいわゆる手押し車筋力トレーニングを繰り返し行うことによって発症したと考えられる尺骨骨幹部疲労骨折に対して,低出力超音波パルス療法が奏効した1例を報告する.症例は17歳,女性,バレーボール選手.毎朝30分間,2人1組で行う両上肢荷重でのいわゆる手押し車筋力トレーニングを開始してから約5カ月後に左前腕尺骨骨幹部に疼痛が出現していたが,そのまま練習を続けていた.疼痛が出現してから1カ月後,レシーブの際に左前腕にバレーボールが当たった後から同部位の疼痛がさらに増強したため近医を受診した.尺骨骨幹部骨折の診断で4週間の外固定を受け,その後スポーツを中止して経過をみていたが疼痛が持続したため,近医受診から4カ月後に当院を受診した.初診時から4カ月経過しても骨癒合が得られておらず,病歴,理学所見,画像所見などを総合的に判断して尺骨骨幹部疲労骨折の遷延治癒と診断した.これに対して低出力超音波パルス療法を行い,約2カ月で骨癒合を得た.尺骨骨幹部の疲労骨折は比較的稀であるが,本症例は手押し車筋力トレーニングによる過大な軸圧が繰り返し尺骨にかかったため発症したものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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