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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻2号

2005年02月発行

文献概要

症例報告

長母趾屈筋腱皮下断裂の1例

著者: 桧田毅1 水野芳隆1 小林孝明1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構大竹病院整形外科

ページ範囲:P.209 - P.212

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 今回,われわれは極めて稀な長母趾屈筋腱皮下断裂の症例を経験した.患者は59歳の男性,バイクツーリングから帰宅した後より右足部の違和感が出現し,右第1足趾が自動屈曲不能となった.足部に疼痛・腫脹などの異常所見は認められなかった.単純X線写真では三角骨が認められた.臨床症状より長母趾屈筋腱皮下断裂と診断し,手術を施行した.皮膚切開は足関節内側の弓状切開で行った.距骨後方には三角骨が存在し,同部位にて長母趾屈筋腱は断裂していた.断端は退縮し,端々縫合は困難であり,同側の足底筋腱を採取し腱移植し,エチボンド糸で補強した.長母趾屈筋腱は同部位では,走行が変化することや血行があまり豊富でないために断裂が生じることがある.今回の症例では,患者がバイク愛好家のため第1足趾を頻回に使用しており,これに加えて三角骨が腱に慢性的な刺激を加わえ続けたことが腱断裂の原因と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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