icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2005(第33回日本脊椎脊髄病学会より) 原著論文

高齢者における腰部脊柱管狭窄の術後QOL

著者: 紺野愼一1 菊地臣一1 大谷晃司1

所属機関: 1福井県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.359 - P.363

文献購入ページに移動
 本研究の目的は,患者立脚アウトカムの指標であるRoland-Morris機能障害質問表(以下RDQ)を用いて,患者の立場からみた70歳以上の腰部脊柱管狭窄の術後QOLを明らかにすることである.腰部脊柱管狭窄と診断し,当科で手術を行い,術後3カ月以上経過した症例50例を検討の対象とした.以下の項目を検討し,70歳未満群と70歳以上群とで対比した.1)症状の有無とその程度,2)歩行可能時間,3)JOAスコア,4)手術に対する満足度,5)腰痛関連QOL,6)精神医学的問題の有無である.70歳以上群では,腰痛と下肢のしびれの程度が,70歳未満群に比べ有意に高く,JOAスコアは,70歳以上群のほうが70歳未満群よりも有意に低かった(p<0.05).腰痛関連QOLは,RDQの偏差得点で比較すると両群間で差はなかった.すなわち,両群とも術後の腰痛関連QOLは,全国の腰痛有訴者のRDQ基準値まで回復する.精神医学的問題を有する症例では,両群とも手術に対する満足度と腰痛関連QOLが明らかに低かった.精神医学的問題を有する症例は,年齢に関わらず手術に対する満足度と腰痛関連QOLが明らかに低いので,手術は可能な限り回避する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら