特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2005(第33回日本脊椎脊髄病学会より)
原著論文
In vivo 3-D脊椎運動解析―頚椎の回旋運動
著者:
石井崇大1
向井克容2
細野昇2
坂浦博伸2
藤井隆太郎2
中島義和3
田村進一3
和田英路1
菅本一臣2
吉川秀樹2
所属機関:
1星ヶ丘厚生年金病院整形外科
2大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)
3大阪大学大学院医学系研究科多元的画像解析分野
ページ範囲:P.415 - P.423
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われわれは,3-D MRIを用いた新しい非侵襲的3次元動態解析システムを独自に開発し,in vivoでの頭部回旋時における頚椎のカップリングモーションを捉えることに成功した.対象および方法は,健常成人に対し,頭部を15°間隔で回旋した状態にて,3-D MRI撮影を行った.各椎骨の動きの追跡は中間位の画像と回旋位で撮影した画像とで,ボリュームレジストレーションを使って3次元的にマッチングすることにより行った.結果は上位頚椎の回旋は,回旋と反対方向の側屈を伴っていた.一方,中下位頚椎の回旋は,すべての椎間で回旋と同じ側への側屈を伴っていた.また上位と中位頚椎の回旋は,後屈を,下位頚椎の回旋は,前屈を伴っていた.このような頚椎の複雑なカップリングモーションを,3次元動態のアニメーションを作成することにより,容易に理解することができた.