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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2005(第33回日本脊椎脊髄病学会より) 原著論文

腰椎インストゥルメンテーション手術後のMRSAによる手術部位感染に対する抗菌治療―インプラント抜去回避のために

著者: 種市洋1 久木田裕史1 須田浩太1 楫野知道1 松村昭1 森平泰1 金田清志1

所属機関: 1美唄労災病院勤労者腰痛脊損センター

ページ範囲:P.431 - P.440

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 腰椎インストゥルメンテーション手術後のMRSA(MRCNSを含む)による手術部位感染(SSI)に対する化学療法の治療成績を分析し,インプラント抜去を回避しうる治療法を検討した.1998~2000年の274手術例では,第1・2世代セフェムによる予防的抗菌薬投与(AMP)が数日間行われた.この群のSSI発生率は4.0%で起因菌は全例MRSA,2.2%は感染鎮静化のためにインプラント抜去を余儀なくされた.2001~2003年の289手術例では,MRSAにもある程度の抗菌力を有するアンピシリン合剤によるAMPを行った.その結果,SSI発生率は2.8%に減じたものの,完全阻止はできなかった.起因菌はすべてMRSAであった.一方,SSI治療に関しては,起因菌ターゲットの絞り込み,バイオフィルム対策,早期診断,適切な抗菌治療を行うことにより,インプラント抜去率を0.7%にまで減じせしめた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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