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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2005(第33回日本脊椎脊髄病学会より) 原著論文

脊椎外科におけるインシデント・アクシデント

著者: 山崎隆志1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.449 - P.456

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 脊椎外科に関する132件のインシデントレポートから死亡,麻痺悪化,早期再手術例を手術のアクシデント(22件),誤診を診断のアクシデント(10件),障害が発生し治療が必要となった検査や投薬を処置のアクシデント(5件)と定義し,その原因を検討した.手術アクシデントでは不可抗力は4件で,7件は標準レベル以上の問題で,11件でエラーがあった.診断アクシデントでエラーがあったものは9件,処置アクシデントではエラーは3件にあった.アクシデント37件のうちエラーが存在したものが23件と多数を占めた.これらのエラーの原因は医師の基本的知識の不足,不注意,怠慢などであり,困難な状況で発生したものではなかった.安全な医療のためには,インシデントレポートを用いて,アクシデントばかりでなく,そこにいたらないインシデントを記録し,純粋な医学的問題ばかりでなくヒューマンファクターや病院のシステムを改善する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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