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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻5号

2005年05月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

線維筋痛症

著者: 行岡正雄1

所属機関: 1行岡医学研究会行岡病院

ページ範囲:P.550 - P.552

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はじめに

 線維筋痛症(fibromyalgia syndrome:以下FMと略す)は身体の広範囲の疼痛と圧痛点の存在を特徴とする疼痛疾患である.米国リウマチ学会(ACR)のFM診断基準(1990)が発表されて以来,欧米では多くの論文が発表され,また米国ではその有病率も一般人口の2%に及ぶとの報告もあり,関節リウマチ(RA)に匹敵する頻度の高いリウマチ性疾患と認識されている.しかしながらわが国では,最近リウマチ学会での報告でFMがみられるようになってきてはいるが,整形外科領域では客観的所見に乏しく精神的な因子の強い疾患と敬遠されているためか,ほとんど注目されていない.

 2003年に厚生労働省のFM調査研究班(班長:西岡久寿樹,聖マリアンナ医大教授)が発足し,日本でのFMの実態調査が行われているが,わが国でもFMはそれほど頻度の低い疾患ではないことが明らかにされつつある.また,FM患者の診断までに要した期間は2.3±1.3年,診断までに受診した医療機関数は8.4±5.2診療科であり,わが国のFM患者が医療機関で適切な診断を与えられるまでに相当の期間を要していることが示されている.欧米ではFMはリウマチ科が対応する疾患と認識されているが,日本ではFM患者は整形外科を受診する可能性が高い.そこでFMの診断・治療の概略について述べるとともに,実際の診療における留意点についても併せて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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