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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻5号

2005年05月発行

文献概要

症例報告

神経線維腫症に合併した角状後側弯変形に対して3次元的楔状骨切り術を行った1例

著者: 関野陽一1 川原範夫1 吉田晃1 藤田拓也1 小林忠美1 村上英樹1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.603 - P.606

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 神経線維腫症には,しばしば脊柱変形を伴い整形外科的治療を要する.なかでも,急速に変形が進行し,後弯変形を伴うことの多いdystrophic typeでは,前方後方固定術を行っても術後の偽関節発生率が高く治療に難渋する.症例は12歳の女性で,dystrophic typeの角状後側弯症例(Cobb角91°の側弯,62°の後弯)であり,特に神経学的所見は認めなかった.この症例に対し,後方単一進入による3次元的楔状骨切り術を施行した.術後は側弯が26°,後弯が16°に改善し,術後4カ月で矯正損失なく骨癒合を認めた.本症例では椎体の回旋が著明であり,後方進入のみでも肋骨頭を切除し椎体側方から前方の操作が可能であった.本術式では頂椎部を3次元的に骨切りし,脊髄を直視下に見ながら矯正操作を行うことで,脊髄に安全かつ十分な矯正,固定を行うことが可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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