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テュトーリアル・システム導入の意義と問題点
著者: 山本謙吾1
所属機関: 1東京医科大学整形外科
ページ範囲:P.621 - P.621
文献購入ページに移動岐阜大学をはじめとするいくつかの大学では先進的にこの制度を取り入れ,学生教育に成功を収めている.その本質は,教員が学生を教えること(Teaching)から,学生が自ら学ぶこと(Learning)への変換である.わが大学においても,その導入にあたって現在,学内においてさまざまな角度から検討が行われ,岐阜大学をはじめとする諸大学に実地見学をさせていただいている.テュトーリアルの特徴(従来の一方通行の講義との比較)として,従来の講義中心型では困難であった「学び方を学ぶ」ことが可能である,知識を一方的に受け入れる知識受入型ではなく「知識を現地調達する(使える知識が取得できる)」,問題点は教員から提示されるのではなく「自分で問題を発見する」,教員が問題を解決するのではなく「抽出した問題を自分で解決する(問題解決型)」,暗記に頼り,応用的な質問に答えられなくなりがちな従来型講義と異なり「考える能力が向上するため,応用的な質問にも答えられる」,などの利点が生まれることが考えられる.さらに講義への出席率が悪い・講義に出ても居眠りをしているという従来の受動型講義と異なり,少人数グループ学習のため,全員が討論や学習に参加する(能動型),グループ学習のためコミュニケーション能力が向上するなどの特徴がある.テュトーリアルとは提示された症例に対して問題点を抽出して自学実習し,これを講義・実習・試験を通して最終的に自分のものにしていくという形式である.
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