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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻6号

2005年06月発行

文献概要

論述

腰部脊柱管狭窄症に対する保存的治療 リマプロストの臨床効果―多施設前向き研究

著者: 松山幸弘1 吉原永武1 辻太一1 酒井義人1 中村博司1 後藤学1 川上寛1 稲生秀文1 川上紀明2 松原祐二2 金村徳相2 佐藤公治3 安藤智洋3 宮坂和良3 石田義博4 原田敦5 神谷光広6 青木正幸7 鈴木喜貴7 佐藤崇7 牧野光倫8 大脇義宏9 米田實10 米田忠正10 岩田佳久11 石黒直樹1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻運動・形態外科学講座整形外科学 2名城病院整形外科 3名古屋第二赤十字病院整形外科 4市立半田病院整形外科 5国立長寿医療センター整形外科 6愛知医科大学整形外科 7刈谷総合病院整形外科 8トヨタ記念病院整形外科 9岡崎市民病院整形外科 10米田病院 11岩田外科・整形外科

ページ範囲:P.673 - P.680

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 プロスタグランジンE1(以下PGE1)の誘導体で,経口投与可能なリマプロストの基礎研究において,本剤が馬尾の血流を増加させることにより神経伝導速度の改善を促し,腰部脊柱管狭窄症患者の神経性間欠跛行に有効であることが報告されている.保存療法のなかでも重要な位置づけのリマプロストの腰部脊柱管狭窄症に対する効果を,今まで研究されていないQOLへ与える影響に関して,SF-36を用いて多施設前向き研究で確認した.また腰痛,下肢痛へ与える効果も,患者本人が記載するVASスケール,フェイススケールを用いて患者側からみた主観評価を新たに試みた.結果は,投与群67例において非投与群26例と比較して有意にJOAスコア,腰痛,下肢痛のVAS,SF-36の体の痛み,活力,社会生活機能の3項目においてよい改善が得られた.これはPGE1の血管拡張作用,血小板凝集抑制作用,赤血球変形能亢進作用などに基づく強力な循環改善作用が効果を示した結果と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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