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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻7号

2005年07月発行

文献概要

調査報告

交通事故によるCRPS(complex regional pain syndrome)の判例検討

著者: 小久保亜早子1 山内春夫2

所属機関: 1板橋中央総合病院整形外科 2新潟大学大学院医歯学総合研究科地域予防医学講座法医学分野

ページ範囲:P.771 - P.777

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 CRPS(complex regional pain syndrome)に関する交通事故の損害賠償判例18例を賠償科学的に分析した.後遺障害は重く(14級から5級),賠償額は高額なもの(平均1704万円)になっていたが,6例は心因的素因減額をされていた.診断までの期間は平均8カ月かかっており,6例は症状固定後に診断されていた.CRPSの診断を争点とした例は8例,うち3例は鑑定によってCRPS診断を否定されていた.CRPSは早期治療が重要な疾患なので,当初の診断はoverdiagnosisでもよいが,加害者側の理解を得て被害者の心因的要素によるCRPSの悪化を防ぐためには,骨シンチグラフィーや皮膚血流量などの客観的基準による診断を推奨する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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