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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科40巻9号

2005年09月発行

文献概要

臨床経験

MRSA脊椎炎の治療経験

著者: 渡辺航太1 松本守雄1 石井賢1 小川祐人1 高石官成1 中村雅也1 千葉一裕1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1023 - P.1028

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 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)脊椎炎患者の臨床経過を調査し,その治療方針を検討した.対象はMRSA脊椎炎11例(血行性感染6例,術後感染5例)である.血行性感染例は全例がcompromised hostであった.保存療法抵抗性で麻痺を併発した4例に対し前方固定術を施行し,感染の沈静化が得られたが,3例で麻痺が残存した.保存療法で沈静化したのは1例のみであり,残りの1例は保存療法中に合併症で死亡した.術後感染例全例で脊椎インプラントを使用していた.感染早期にインプラントを抜去した2例は6カ月以内に沈静化したが,抜去が遅れた2例で感染が遷延化した.インプラントを抜去しなかった1例は敗血症で死亡した.血行性感染例では,保存療法で十分な治療効果が得られない場合,compromised hostでも早期に手術療法を行うべきである.術後感染例では可及的早期のインプラント抜去が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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