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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻1号

2006年01月発行

文献概要

論述

腰椎変性すべり症に対するpedicle screw併用後側方固定術の術後長期における矢状面アライメント

著者: 森英治1 芝啓一郎1 植田尊善1 加治浩三 弓削至1 河野修1

所属機関: 1労働者健康福祉機構総合せき損センター整形外科

ページ範囲:P.13 - P.20

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 腰椎変性すべり症に対するpedicle screw併用後側方固定術後に9年以上が経過し,直接検診できた31例(男10例,女21例,平均年齢59.8歳)に対し長期成績を調査した.術後の矯正位は保持されなかった.後弯位すべり群は平行・前弯位すべり群に比し,前弯度の小さな固定角となってしまい,術前からの腰椎前弯減少とあいまって脊柱矢状面バランスが前方偏位する傾向にあった.術後の腰椎前弯増減には近位腰椎前弯増減が関与していた.後弯位すべり例には近位腰椎前弯増加などの代償機能が働かないと矢状面バランスの前方偏位が生じるおそれがあるため,後方椎体間固定術のほうが適切と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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