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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻1号

2006年01月発行

文献概要

症例報告

激しい大腿外側部痛を主訴に初診したcalciphylaxisの1例―calciphylaxisの特徴について

著者: 善家雄吉1 馬場賢治1 筬島明彦2 大西英生1 沖本信和1 平澤英幸1 中村利孝1

所属機関: 1産業医科大学整形外科学教室 2産業医科大学第二内科学教室

ページ範囲:P.63 - P.66

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 大腿外側部の激しい疼痛にて初診した,末期腎不全患者の約1%程度に発症するとされるcalciphylaxisの1例を経験した.症例は58歳の男性,50歳時に慢性腎不全と診断され,51歳時に腹膜透析(CAPD)を開始,56歳時に,副甲状腺摘出術を施行している症例である.入院後,病態確認のための筋膜切開を行った.しかし創部は徐々に潰瘍化し,会陰部・頭部にも出現した.高圧酸素療法(HBO2)と対症療法を行ったが,創は治癒しなかった.治療の甲斐なく,発症から149日目に敗血症にて永眠された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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