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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻1号

2006年01月発行

文献概要

症例報告

髄内髄外に発生した脊髄血管芽腫の1例

著者: 高橋信太郎1 宮内晃1 白隆光1 奥田真也1 岩崎幹季1 小田剛紀1 山本和巳1 山本弘志1 西塔進1

所属機関: 1大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.83 - P.86

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 硬膜内髄外腫瘍と術前診断したが,実際には髄内から髄外に進展した脊髄血管芽腫の1例を経験した.症例は43歳の男性.主訴は腰背部痛.理学所見は下肢深部腱反射が亢進していたが,筋力・知覚は正常であった.MRI T2強調像でTH9・10硬膜内右側に高信号を示す腫瘍が見られ,カドリニウムで均一に増強された.脊髄造影後CTで脊髄と個別に腫瘍が右側に偏在していた.画像所見から硬膜内髄外腫瘍と診断し手術を行ったが,実際には髄内に腫瘍が存在し髄外に進展していた.病理所見でstromal cellが観察され,血管芽腫と診断した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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