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日本型整形外科の未来
著者: 金谷文則1
所属機関: 1琉球大学医学部・高次機能医科学講座整形外科学
ページ範囲:P.1047 - P.1048
文献購入ページに移動整形外科医からの不満点としては,当初から整形外科を独立した科として考慮しておらず,必修・必須にも含まれていないことである.米国でも日本と同様に運動器疾患は多いが,米国の整形外科医は主に手術療法を行うのに対し,日本の整形外科医のうち特に開業医は保存療法を主体に行っている(米国では保存療法をgeneral practitioner,family doctor,DO〔doctor of orthopathy〕,chiropractictorなどが行ってるが,州により異なる).あまり知られていないが,人口あたりの医師数は米国を1とした場合,日本は0.9倍とやや少ないが,整形外科医は2.0と2倍である.他に多い科としては脳神経外科(3.4),外科(1.5),少ない科は産婦人科(0.8),小児科(0.5),麻酔科(0.4)などである.これは日本の整形外科医数が多いことを示しているのではなく,日本型整形外科は運動器疾患における手術療法から保存療法までの全てを取り扱い,レベルの高い医療を行っているため,これだけの数の整形外科医がいてもまだ忙しいのが実態である.
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