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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻10号

2006年10月発行

文献概要

症例報告

骨融解像を認めた血液疾患の2例

著者: 仲摩憲次郎1 吉田健治1 山田圭1 山下寿2 星子久1 中村英智1 西田俊晴1 高山純一1 田中順子1 木村芳三3 増岡和宏3 長部誠志3 今村豊3 後藤琢也1

所属機関: 1聖マリア病院整形外科 2聖マリア病院救急診療科 3聖マリア病院血液内科

ページ範囲:P.1121 - P.1126

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 脊椎,骨盤の骨融解像を認めた血液疾患2例を経験したので報告する.症例1は75歳の女性.右骨盤の骨融解像を認め,CT,MRIで右腸骨に占拠性病変を認めた.血液検査で白血球増多,高蛋白血症を認め成人T細胞白血病と診断し化学療法を行ったがカリニ肺炎を合併し死亡した.症例2は58歳の女性.第2,4腰椎に圧迫骨折,左腸骨の骨融解像を認め精査を行い,原発不明の転移性骨腫瘍として加療中,骨盤の打ち抜き像が進行し尿中Bence-Jones蛋白陽性で多発性骨髄腫と確定診断した.骨占拠性病変の鑑別診断として血液疾患が重要である.

参考文献

1)安部正博:多発性骨髄腫に伴う骨病変の発症機序とその治療.四国医誌59:7-13, 2003
2)阿部泰尚,山口 徹,松下達生・他:進行性の高カルシウム血症,腎機能障害と貧血を呈し,診断に困難を感じたBence-Jones蛋白型多発性骨髄腫の一例.Clinical Calcium 13:352-355, 2003
3)久保田勇人,杉本英治:成人T細胞白血病.臨床医29:1208-1209, 2003
4)辰野 聡:多発性骨髄腫.臨床医29:1206-1207, 2003
5)梅田正法,足立山夫,富山順治・他:高齢者多発性骨髄腫における骨病変の臨床的検討.日老医誌39:631-638, 2002
6)山本義尚,石田一慶,野村昌作・他:多発性骨折にて発症した成人T細胞白血病リンパ腫.臨床血液45:247-249, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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