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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻12号

2006年12月発行

文献概要

誌上シンポジウム 肘不安定症の病態と治療

肘内側側副靱帯損傷―新鮮単独損傷例の治療

著者: 正富隆1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.1251 - P.1255

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 肘内側側副靱帯(MCL)は外反ストレスに対する第一制動要素として機能し,特に複合損傷においてはその機能が温存されているか否かにより治療法・方針が変わりうる重要な鍵となる靱帯である.しかしその重要性を思うあまり単独損傷においてさえ手術的加療を考慮されやすいのも事実である.下肢における側副靱帯の新鮮損傷は今や保存療法が原則であることから,筆者は肘MCL新鮮単独損傷に対し,保存療法を原則として治療に当たってきた.過去8年間の36例については,当初より3週間の外固定(肘屈曲60°前腕中間位)を施した32例全例について130°以上の屈曲,-10°以上の伸展を獲得し,従前の活動性に約半年で復帰し得た.肘MCL新鮮単独損傷の治療原則は保存療法としてよいと考えられた.

参考文献

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2)Fuss FK:The ulnar collateral ligament of the human elbow joint;anatomy, function, and biomechanics. J Anat 175:203-212, 1991
3)Jobe FW, Elattrach NS:Diagnosis and treatment of ulnar collateral ligament injuries in athletes. pp549-555(Morrey BF, ed.:The Elbow and its Disorders, Saunders, Philadelphia, 2000)
4)Ochi N, Ogura T, Hashizume H, et al:Anatomic relation between the medial collateral ligament of the elbow and humero-ulnar joint axis. J Shoulder Elbow Surg 8:6-10, 1999
5)O'Driscoll SW, Morrey BF, Korinek S, et al:Elbow subluxation and dislocation. A spectrum of instability. Clin Orthop Relat Res 280:186-197, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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