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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻2号

2006年02月発行

文献概要

誌上シンポジウム de Quervain病の治療

de Quervain病における超音波検査を中心とした画像診断

著者: 清水弘之1 別府諸兄1 中島浩志2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学整形外科 2天本病院整形外科

ページ範囲:P.109 - P.114

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 われわれはde Quervain病の超音波画像で隔壁の有無と腱周囲の低エコー像の程度を調べ,治療方針の判断材料に利用している.対象は初診時または経過中に超音波検査を行った95例100手(保存例66手,手術例34手)である.短軸像を中心に隔壁の有無と短母指伸筋腱と長母指外転筋腱周囲の低エコー像により腱鞘の肥厚の程度を評価した.隔壁と腱周囲の低エコー像を有する例では手術例や注射回数も多く,寛解期間は長くなる傾向にあった.隔壁のない低エコー像を有する例では保存有効例が多く,隔壁や低エコー像のない例では手術例がなく,早期に寛解が得られていた.超音波検査で隔壁の有無と腱鞘の肥厚の程度は評価可能であつた.隔壁と低エコー像の有無で症例を4つのtypeに分類でき,これらは治療効果に反映していた.本症の治療方針の判断材料に超音波画像は利用できると考えている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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