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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻2号

2006年02月発行

文献概要

臨床経験

指趾内軟骨腫に用いたβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)のX線像の経時的変化

著者: 加藤仲幸1 長田伝重1 藤田聡志1 亀井秀造1 高井盛光1 玉井和哉1 早乙女紘一1

所属機関: 1獨協医科大学整形外科教室

ページ範囲:P.169 - P.173

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 指趾発生の内軟骨腫に対し,β-TCP(β-リン酸三カルシウム)を使用しその経時的変化をX線像で検討した.症例は6例6指趾,発生部位は基節骨3例,中節骨2例,中手骨1例であった.手術は病巣掻爬後β-TCPを顆粒状に粉砕し十分に充塡した.これら症例のX線像におけるβ-TCPの辺縁が不明瞭化する時期,骨梁の出現時期,β-TCPが吸収された時期について検討した.結果は,それぞれ平均4週,2.5カ月,6カ月であった.β-TCPは全例で比較的早期に新生骨に置換された.内軟骨腫の治療にβ-TCPを併用することは有用であると思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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