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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

足関節脱臼骨折手術中に肺塞栓症を発生するも救命しえた1例

著者: 入内島崇紀1 植松義直1 及川久之1 佐藤賢治1 角野隆信1 桑原正彦1 浅井亨1

所属機関: 1川口市立医療センター整形外科

ページ範囲:P.191 - P.195

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 44歳,男性.階段から転落して受傷し,左足関節脱臼骨折の診断で受傷後18日に観血的整復固定術を施行した.術中,タニケットを解除したところ解除2分後より最高血圧が50mmHgまで低下した.肺血栓塞栓症を疑い心肺蘇生を行い,ヘパリン5,000単位,TPA 520万単位を静注するなど,血栓溶解療法により救命し得た.現在,麻痺,脳高次機能障害を認めていない.足関節脱臼骨折の手術は肺血栓塞栓症予防ガイドラインによると中リスク群であるが,肥満,長期臥床などのリスクがある場合には下肢静脈エコーによる深部静脈血栓症の評価および,術前からの抗凝固療法や下肢静脈フィルターの設置等を検討する必要がある.

参考文献

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7)肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症予防ガイドラインについて:日整会誌78:742-792, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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