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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

骨原発平滑筋肉腫の1例

著者: 木下厳太郎1 八十嶋仁3 白木孝人1 米湊裕1 流田智史2

所属機関: 1宝塚市立病院整形外科 2宝塚市立病院病理部 3八尾総合病院臨床検査科

ページ範囲:P.197 - P.201

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 稀な骨原発平滑筋肉腫の1例を報告した.症例は74歳の女性.下腿の疼痛を主訴に来院した.血液検査では腫瘍マーカーを含めて異常所見を認めなかった.単純X線像では,比較的境界明瞭な骨透亮像を認めた.骨シンチグラムでは,ドーナツ状の異常集積像を認め,MRIにてT1で低輝度,T2で高輝度,ガドリニウムで増強される所見が,ほぼ骨内に限局してみられた.病理組織診断では紡錘形細胞肉腫の形態を示し,免疫染色でsmooth muscle actinが陽性になったことから,平滑筋肉腫と診断した.広範囲切除術および腫瘍用人工関節での再建術を行った.膝関節伸展機構は,腓腹筋の前方移行部に膝蓋腱を縫着し再建した.術後1年の現在,無病生存中であり,機能的にも満足している.骨原発平滑筋肉腫は,軟部原発や子宮・腸管からの転移性肉腫との鑑別が必要であるが,稀に存在するので,その存在を念頭に置く必要がある.

参考文献

1)Antonescu CR, Erlandson RA, Huvos AG:Primary leiomyosarcoma of bone. a clinicopathologic, immunohistochemical, and ultrastructural study of 33 patients and a literature review. Am J Surg Pathol 21:1281-1294, 1997
2)Delsmann BM, Pfahler M, Nerlich A, et al:Primary leiomyosarcoma affecting the ankle joint. Foot Ankle Int 17:420-424, 1996
3)蛭田啓之,亀田典章,羽鳥 努・他:骨原発性平滑筋肉腫.1例報告と文献的考察.臨整外27:643-647, 1992
4)Ueda T, Araki N, Myoui A, et al:Frequent expression of smooth muscle markers in malignant fibrous histiocytoma of bone. J Clin Pathol 55:853-858, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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