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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻3号

2006年03月発行

文献概要

臨床経験

総排泄腔外反症に対する腸骨後方骨切り術の長期成績

著者: 大野一幸12 樋口周久2 清水信幸2 吉川秀樹2

所属機関: 1大阪大学保健センター 2大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)

ページ範囲:P.273 - P.276

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 総排泄腔外反症は,膀胱腸粘膜が外反・露出する重度の胎生初期の発生異常である.恥骨結合の離開を伴い,小児外科,泌尿器科的処置の際に締結を必要とする.この総排泄腔外反3例,膀胱外反症1例に対して,腸骨後方骨切り術を行い,平均11.9年(5.5~19.1年)の経過を観察した.術前の恥骨結合間距離は,平均65mm(36~88mm)であったものが,術直後は,16mm(6~28),最終観察時18mm(2~34)と離開せず,維持されていた.著明な外旋歩行を呈したものもなく,尿禁制も得られていた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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