icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2006(第34回日本脊椎脊髄病学会より)

透析に伴う頚椎病変(頚髄症)に対する手術成績について

著者: 和田英路1 石井崇大1 石井正悦1 河井秀夫1 佐藤宗彦2 井上隆2

所属機関: 1星が丘厚生年金病院整形外科 2蒼龍会井上病院

ページ範囲:P.445 - P.451

文献購入ページに移動
 透析に伴う頚椎病変により頚髄症を来した慢性透析患者16名に対して,頚椎椎弓形成術15例,頚椎前方後方固定術1例を行った.JOAスコア,握力,10秒テストで評価した,手術成績は満足できるものであった.しかし,周術期合併症を5例(31%)に認め,うち1例は死亡した.生命予後については,経過観察期間中に9例(56%)が死亡し,頚椎術後の平均生存期間は3年11カ月であった.術後のDSA変化進行のために再手術を要した症例は1例(6%)であった.透析に伴う頚椎病変による頚髄症に対しては,初回手術としてインストゥルメンテーションを行わなくても,椎弓形成術のみで十分な意義があるものと考えた.

参考文献

1)陳 宗雅,梶川佳照,酒井 亮・他:破壊性脊椎関節症に対する頚椎手術例の検討.整形外科55:255-259,2004
2)Cuff MJ, Hadley MN, Herrera GA, et al:Dialysis-associated spondyloarthropathy. Report of 10 cases. J Neurosurg 80:694-700, 1994
3)稲坂理樹,岩村祐一,安原義昌・他:長期透析患者に合併した頚部脊髄症に対し頚椎後方固定術を施行した2例.別冊整形外科29:248-252,1996
4)伊藤 学,鐙 邦芳,金田清志・他:破壊性脊椎関節症の手術治療.脊椎脊髄10:1079-1085,1997
5)久野木順一,真光雄一郎,赤津 昇・他:破壊性脊椎症の画像診断.脊椎脊髄10:1071-1077,1997
6)久野木順一,真光雄一郎:長期血液透析に伴う頚椎病変に対する手術法.新OSNow 7:195-206,2000
7)久野木順一,真光雄一郎:透析に伴う頚髄症.脊椎脊髄15:693-701,2002
8)Kuntz D, Naveau B, Bardin T, et al:Destructive spondyloarthropathy in hemodialyzed patients;a new syndrome. Arthritis Rheum 27:369-375, 1984
9)圓尾宗司,谷口 睦,大塚誠治・他:破壊性脊椎症の病態と予後.脊椎脊髄10:1065-1070,1997
10)雄山博文,池田 公,天野 泉:透析患者における頚椎破壊性脊椎関節症9例の経験.脊髄外科16:247-254,2002
11)横山 浩,楊 鴻生,夫 徳秀・他:透析性脊椎症頚椎病変における自然経過の検討.臨整外39:453-459,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら