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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻5号

2006年05月発行

文献概要

臨床経験

自然経過に基づいた症状の軽微な脊髄腫瘍に対する治療法の選択

著者: 鎌田修博1 三上裕嗣1 市原大輔1 森山一郎1 千葉和宏1 木内準之助1 中村雅也2

所属機関: 1けいゆう病院整形外科 2慶應義塾大学整形外科

ページ範囲:P.567 - P.571

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 症状が軽微な脊髄腫瘍25例について手術をせずに1~10年,平均5年7カ月自然経過を観察し,かつ1年以上の間隔でMRIを撮像した.結果,頚髄髄内腫瘍の4例中,血管芽細胞腫と上衣腫の2例が5年以後に症状が悪化して手術となった.これらの術後成績は不良であったので,頚髄髄内腫瘍は症状が軽微な早期に手術を勧めるべきである.硬膜内髄外腫瘍の神経鞘腫,神経線維腫では比較的短期間に腫瘍が増大して症状を発現していた.馬尾の神経鞘腫は症状の一時的な増悪を来しても自然に軽快することが多いので,経過観察でもよい.

参考文献

1)鎌田修博,戸山芳昭,松本守雄・他:脊髄腫瘍非手術例の検討.臨整外33:433-437, 1998
2)鎌田修博,木内準之助,丸岩博文・他:脊髄腫瘍非手術例の経過.臨整外38:813-817, 2003
3)野尻賢哉,鎌田修博,牧田聡夫・他:5年間で顕著に増大した脊髄腫瘍の1例.整形外科51:1578-1579, 2000
4)小澤浩司,佐藤哲朗,松本不二夫・他:脊髄腫瘍の自然経過からみた治療戦略.脊椎脊髄18:899-905, 2005
5)Seppälä MT, Haltia MJJ, Sankila RJ, et al:Long-term outcome after removal of spinal neurofibroma. J Neurosurg 82:572-577, 1995
6)佐々木正修,藤本吉範,下野研一・他:非腫瘍性脊髄髄内病変の3例.中部整災誌40:689-690, 1997
7)戸山芳昭,朝妻孝仁:Myxopapillary ependymomaの臨床像と病理組織像.整形外科46:802-803, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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