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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻5号

2006年05月発行

文献概要

症例報告

股関節穿刺が有効であった一過性大腿骨頭萎縮症の1例

著者: 横田治1 糸数万正1 松本和1 福田雅1 伊藤芳毅1 長沢博正2 清水克時1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科 2長沢整形外科

ページ範囲:P.607 - P.611

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 症例は51歳,女性.主訴は左股関節痛.初診時の理学所見,X線像,CT,MRIの結果,一過性大腿骨頭萎縮症と診断した.治療は股関節液貯留を認めたため関節穿刺と免荷歩行を行った.穿刺直後から疼痛は軽減し,発症3カ月後には症状が消失,5カ月後には画像所見も正常化した.本症例の臨床経過は諸家の報告と比較し短期間であり,穿刺後から症状が急速に改善していることから,関節内圧の上昇が病態の1つと推測された.関節穿刺は疼痛を速やかに軽減させ早期治癒が期待でき,また患者の満足度も高い有用な治療法の1つである.

参考文献

1)Curtiss PH, Kinkaid WE:Transient demineralization of the hip in pregnancy. J Bone Joint Surg Am 41:1327-1333, 1959
2)Hofmann S, Engel A, Neuhold A, et al:Bone-marrow oedema syndrome and transient osteoporosis of the hip. An MRI-controlled study of treatment by core decompression. J Bone Joint Surg Br 75:210-216, 1993
3)Hofmann S, Schneider W, Breitenseher M, et al:“Transient osteoporosis”as a special reversible form of femur head necrosis. Orthopade 29:411-419, 2000
4)村田美奈子,吉田雅之,圓尾圭美・他:特発性一過性大腿骨頭萎縮症の2例.関東整災誌28:539-544,1997
5)野沢 進,米山良司:出産後股関節に一過性にosteoporosisが認められた1症例.整形外科27:144-147,1976
6)安原愼治,岩森 洋,重信隆史・他:特発性一過性大腿骨頭萎縮症の治療経験.中部整災誌44:467-468,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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