icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻6号

2006年06月発行

文献概要

論述

高齢者(75歳以上)重症頚髄症の術後評価―患者立脚型アウトカム評価の有用性

著者: 沼沢拓也1 横山徹1 油川修一1 小野睦1 藤哲1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科

ページ範囲:P.645 - P.651

文献購入ページに移動
 75歳以上の高齢者重症頚髄症の術後評価を患者立脚型アウトカムを中心に検討した.対象は1994~2003年までに手術を行ったJOAスコア10点以下の19例で,これらに対しJOAスコア,患者・家族の満足度,生活自立度,さらにSF-36®によるQOL評価を行った.JOAスコアの改善率は21.5%と低く,満足度とは相関していなかった.満足度は生活自立するほど高く,またSF-36®の精神健康面の評価と強く相関していた.以上より高齢者重症頚髄症の術後評価には生活自立度や健康関連QOL評価が重要である.

参考文献

1)Fanuele JC, Birkmeyer NJO, Abdu WA, et al:The impact of spinal problems on the health status of patients―Have we underestimated the effect? Spine 25:1509-1514, 2000
2)Fukuhara S, Bito S, Green J, et al:Translation, adaptation, and validation of the SF-36 Health Survey for use in Japan. J Clin Epidemiol 51:1037-1044, 1998
3)Fukuhara S, Ware JE, Kosinski M, et al:Psychometric and clinical tests of validity of the Japanese SF-36 Health Survey. J Clin Epidemiol 51:1045-1053, 1998
4)King JT, Roberts MS:Validity and reliability of the Short Form-36 in cervical spondylotic myelopathy. J Neurosurg(Spine 2)97:180-185, 2002
5)小林直樹,藤原 淳,北川知明・他:頚椎症性脊髄症患者の健康関連quality of life(QOL).整形外科54:1119-1122, 2003
6)Latimer M, Haden N, Seeley HM, et al:Measurement of outcome in patients with cervical spondylotic myelopathy treated surgically. Br J Neurosurg 16:545-549, 2002
7)松永俊二,武富栄二,大西敏之・他:高齢頚椎後縦靱帯骨化症患者の生活実態調査.脊椎脊髄12:1001-1005, 1999
8)宮本紳平,小泉寿章,鈴木省三・他:高齢者圧迫性頚髄症に対する椎弓形成術―術式の選択と手術にあたっての留意点.脊椎脊髄12:989-994, 1999
9)三好光太,中村耕三,三上容司・他:高齢者における頚椎症性脊髄症に対する脊柱管拡大術.脊椎脊髄12:995-999, 1999
10)Daffner SD, Hilibrand AS, Hanscom BS, et al:Impact of neck and arm pain on overall health status. Spine 28:2030-2035, 2003
11)内田研造,前沢靖久,久保田力・他:高齢者における頚椎症性脊髄症の手術適応.脊椎脊髄12:985-988, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら