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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻6号

2006年06月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

時計遺伝子

著者: 岡村均1 増淵悟1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科脳科学講座分子脳科学分野

ページ範囲:P.652 - P.655

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■はじめに

 生命活動の中で周期的な現象を生体リズム(biological rhythm;生物リズム)と呼ぶが,このうち約24時間周期で繰り返すリズムをサーカディアンリズム(circadian rhythm:概日リズム;circa=約とdies=日というラテン語からの造語)という.最近,このリズムが,一群の時計遺伝子により生み出されることが明らかとなった.この時計遺伝子は全身の数十兆もの身体の細胞すべてに存在する.この全身の細胞レベルのリズムを統括するのが視床下部の視交叉上核であり,ここからのリズム信号は,睡眠覚醒,ホルモン分泌や細胞分裂まで,実に多くの身体機能のリズムを司る.最近,この脳からの時の信号を伝えるメッセンジャーとして副腎皮質ホルモンが注目を集めている.

参考文献

1)Ishida A, Mutoh T, Ueyama T, et al:Light activates the adrenal gland:Timing of gene expression and glucocorticoid release. Cell Metabolism 2:297-307, 2005
2)Matsuo T, Yamaguchi S, Mitsui S, et al:Control mechanism of the circadian clock for timing of cell division. Science 302:255-259, 2003
3)Okamura H:Clock genes and cell clocks:Roles, actions and mysteries. J Biol Rhythms 19:388-399, 2004
4)岡村 均,増渕 悟,上山友子:体内時計を司る遺伝子ネットワーク.ホルモンと臨床53:51-58, 2005
5)上山友子,岡村 均:視交叉上核から副腎皮質を介した全身への時刻シグナル伝達.実験医学24:472-478, 2006
6)Yamaguchi S, Isejima H, Matsuo T, et al:Synchronization of cellular clocks in the suprachiasmatic nucleus. Science 302:1408-1412, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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