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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻6号

2006年06月発行

文献概要

臨床経験

腰椎椎間板ヘルニアに対する持続硬膜外ブロックの経験

著者: 田中宏幸1 野口学1 松田正樹1 小林歩2

所属機関: 1舞鶴共済病院整形外科 2公立南砺中央病院整形外科

ページ範囲:P.669 - P.673

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 入院のうえ保存的加療を行った腰椎椎間板ヘルニア患者44例を,選択的神経根ブロック施行後に腰部持続硬膜外ブロックを行った21例(Epi群)と,選択的神経根ブロック後に理学療法を行った23例(非Epi群)に分け,腰部持続硬膜外ブロックの有用性を比較検討した.入院後4カ月でEpi群は81%,非Epi群は60%が手術を回避できた.特に非Epi群では1カ月以内の手術例が多く,急性期疼痛管理が重要と考えられた.持続硬膜外ブロックは,疼痛管理にすぐれ,急性期疼痛に対して有効な治療法の1つと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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