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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻6号

2006年06月発行

文献概要

臨床経験

膝前十字靱帯再建術における採取腱の再生―術後超早期のMRIによる経時的前向き検討

著者: 大井剛太1 菊地臣一1 矢吹省司1 長総義弘1 大歳憲一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.675 - P.681

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 MRIで術後早期の膝屈筋腱の再生過程を前向きに検討した.前十字靱帯再建術を受ける連続する20膝を対象とした.MRIを術後12週以内に5回撮り,関節面高位とその5cm近位の2カ所で,再生腱の出現率,出現週数と信号強度の変化を調査した.結果,早い症例では2週以内に再生腱が認められ,6週では80%以上の症例に認められた.6週までに認められない症例では,その後も認められなかった.また,腱再生は関節面高位より5cm近位で先行していた.本研究より,膝屈筋腱の旺盛な再生能が確認され,再生するかどうかは術後6週以内に決定されると考えられた.

参考文献

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2)Eriksson K, Larsson H, Wredmark T, et al:Semitendinosus tendon regeneration after harvesting for ACL reconstruction―A prospective MRI study. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 7:220-225, 1999
3)福林 徹,池田耕太郎,新津 守:半腱様筋と薄筋腱による前十字靱帯再建術後の筋体積の変化.
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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