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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻6号

2006年06月発行

文献概要

症例報告

有鉤骨に発生した孤立性骨囊腫の2例

著者: 吉澤貴弘1 山田賢治1 関谷繁樹1 中村明訓1

所属機関: 1赤心堂病院整形外科

ページ範囲:P.683 - P.688

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 稀な有鉤骨に発生した孤立性骨囊腫を2例経験したので報告する.症例は17歳の女性と37歳の女性で,それぞれ打撲を契機とした左手関節痛,誘因なく出現した右手関節痛で受診し,単純X線検査で骨透亮像を指摘され,有鉤骨の骨囊腫が判明した.骨囊腫は,17歳の症例ではMRIのT1強調像で低信号,T2強調像で高信号に描出され典型的所見であったが,37歳の症例ではT1,T2強調像ともに高信号に描出され,非典型的であった.2例ともに病的骨折の危険性が高いと考え,インフォームドコンセントを得て病巣掻爬術および人工骨移植術を行った.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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