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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻6号

2006年06月発行

文献概要

症例報告

椎体scallopingを呈した腰椎椎間板ヘルニアの1例

著者: 岡田英次朗1 浦部忠久1 関口治1 藤田順之1 松本守雄2 戸山芳昭3

所属機関: 1足利赤十字病院整形外科 2慶應義塾大学運動器機能再建・再生学講座 3慶應義塾大学整形外科

ページ範囲:P.701 - P.704

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 腰椎椎間板ヘルニアに椎体scallopingを伴った症例を経験した.症例は66歳の女性で,1カ月前からの左下肢の疼痛としびれを主訴に来院した.CTおよびMRIにてL5椎体後方および左椎弓にscallopingを認めた.術中所見にて硬い軟骨性の腫隆が椎体の後方左椎弓の直下に存在し,L5神経根を後尾側に圧迫していた.病理診断は変性した椎間板であった.患者は術後より疼痛は軽減した.椎間板ヘルニアは椎体にscallopingを来たす原因としては稀であるものの,腰椎にscallopingを来している症例では神経鞘腫との鑑別が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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