icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻7号

2006年07月発行

文献概要

症例報告

骨髄異形成症候群に胸椎部脊髄腫瘍を生じた1例

著者: 割田敏朗1 飯塚伯1 堤智史1 中島飛志1 中川由美1 高岸憲二1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科器官機能制御学講座機能運動外科学(整形外科)

ページ範囲:P.803 - P.807

文献購入ページに移動
 46歳,女性.腰痛,両下肢しびれ感を主訴に受診した近医で,胸髄部腫瘍と著しい汎血球減少を指摘された.両下肢痛と歩行障害が進行し,骨髄異形成症候群の治療も含め,当院へ紹介された.両下肢麻痺が進行し,さらに尿閉が出現したため,輸血で血球数を増加させ,腫瘍摘出術に踏み切った.術後はHLA適合血小板輸血とG-CSF投与を行った.神経症状はほぼ回復した.骨髄異形成症候群は外科的治療の大きな障壁となりうる.手術時には血液内科医との連携が必要で,今回は術後合併症を認めず,麻痺のほぼ完全回復が得られた.

参考文献

1)朝長万左男:内科学.第8版.14-9骨髄異形成症候群,pp1832-1837,朝倉書店,東京,2003
2)堀田知光:骨髄異形成症候群(MDS)に対する輸血療法.綜合臨牀47:2733-2735, 1998
3)飯田尚裕,浅野 聡,木家哲郎・他:慢性脊髄圧迫による両下肢完全麻痺の術後回復パターン.日本脊髄障害医学会雑誌16:142-143, 2003
4)今津浩喜,酒井和加奈,中村康子・他:骨髄異形成症候群に合併した胃癌の1例.外科65:713-717, 2003
5)石崎正彦,森 秀樹:汎血球減少を伴う骨髄異形成症候群におけるPTCAの経験.心血管インターベンション17:402-406, 2002
6)金丸昭久:骨髄異形成症候群の治療ガイドライン.内科94:467-471, 2004
7)溝口秀昭,齋藤英彦:血液病学.第4版.pp136-140,医学書院,東京,1996
8)大屋敷一馬:骨髄異形成症候群の病態.内科94:413-419, 2004
9)戸塚 統,大和田進,小川哲史・他:胃癌と上行結腸癌に対して胃内視鏡的凝固療法と結腸右半切除術を施行した骨髄異形成症候群の1例.日消外会誌32:1007-1011, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら