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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻8号

2006年08月発行

文献概要

誌上シンポジウム 腰部脊柱管狭窄症―最近の進歩

腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランジンE1誘導体製剤リマプロストの臨床効果

著者: 松山幸弘1 吉原永武1 酒井義人1 中村博司1 片山良仁1 石黒直樹1

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科

ページ範囲:P.877 - P.882

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 腰部脊柱管狭窄症に対する治療体系として,保存的治療は必須で第一に行わなくてはならない.保存療法としては理学療法,コルセット固定などの装具療法,神経根ブロック療法,消炎鎮痛剤と併用での神経循環改善剤の投与があげられる.保存療法のなかでも,ファーストステップでのプロスタグランジンE1(PGE1)誘導体製剤であるリマプロストの腰部脊柱管狭窄症に対する効果を,SF-36を用いて確認した.また腰痛,下肢痛へ与える効果も,患者本人が記載するVASスケール,フェイススケールを用いて患者側からみた主観評価を行った.結果は,投与群67例において非投与群26例と比較して有意にJOAスコア,腰痛,下肢痛のVAS,SF-36の体の痛み,活力,社会生活機能の3項目において良い改善が得られた.これはPGE1の血管拡張作用,血小板凝集抑制作用,赤血球変形能亢進作用などに基づく強力な循環改善作用が効果を示した結果と考える.

参考文献

誘導体の血行動態に及ぼす影響.日臨生会誌11:21-24, 1981
2)伊藤邦臣,長島晃司,竹信敬史・他:OP-1206・α-CDのイヌの馬尾神経圧迫下における馬尾神経血流に及ぼす効果.基礎と臨床29:2577-2585, 1995
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4)紺野慎一:腰部脊柱管狭窄症に対するリマプロストアルファデックスの治療効果の検討.整形外科の最新医療.pp365-370,先端医療技術研究所,東京,2003
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7)松山幸弘,吉原永武,石黒直樹:腰部脊柱管狭窄症に対する保存的治療 リマプロストの臨床効果―多施設前向き研究.臨整外40:673-680, 2005
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9)瀬尾留美,藤岡麻由里,杉岡真紀子・他:赤血球変形能に及ぼすOP-1206・α-CDの影響.現代医療20:1374-1380, 1988
10)竹信敬史,勝部伸夫,中井久郎:ラットの馬尾神経圧迫による歩行障害モデルに対するOP-1206・α-CDの作用.基礎と臨床30:221-227, 1996
11)Tsuboi T, Hatano N, Nakatsuji K, et al:Pharmacological evaluation of OP-1206, a prostaglandin E1 derivative, as an anginal agent. Arch Int Pharmac Therap 247:89-102, 1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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