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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻8号

2006年08月発行

文献概要

論述

肩腱板断裂術後にみられた反射性交感神経性ジストロフィー様症状の検討

著者: 塚本重治1 村成幸1 後藤康夫1 桃井義敬1 鶴田大作1 松田雅彦1 荻野利彦1

所属機関: 1山形大学医学部整形外科

ページ範囲:P.889 - P.893

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 腱板断裂術後67例72肩を対象に,同側手指の腫脹,疼痛,拘縮といったRSD様症状の合併頻度,経過,術後成績を調査した.13肩にRSD様症状がみられた.RSD様症状あり群となし群を比較すると,あり群では術後の肩屈曲・外旋可動域がなし群に比べ有意に小さかった.しかし,手術時間,断裂面積に有意差はなく,術後成績も差がなかった.このことから,RSD様症状の合併する例で肩の可動域制限が出現する可能性が考えられ,腱板修復術後に同症状がみられた場合には早期に治療を開始し,肩の可動域訓練に注意する必要がある.

参考文献

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2)石橋 徹,三笠元彦,熊谷英夫:腱板断裂に合併した反射性交感神経性ジストロフィー.肩関節17:20-23, 1993
3)加藤文雄:肩手症候群.山本龍二,加藤文雄,水野耕作・他(編).肩関節の外科.pp178-181,南江堂,東京,1989
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8)戸田克広,宗 重博,麻生智洋:反射性交感神経性ジストロフィー(RSD).整形外科51:1094-1100, 2000
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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