icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻8号

2006年08月発行

文献概要

臨床経験

強直性脊椎骨増殖症に合併した椎体骨折の治療経験

著者: 當天賢子1 田中信弘1 佐々木浩文1 中西一義1 西田幸司1 亀井直輔1 濱崎貴彦1 山田清貴1 越智光夫1 藤本吉範2

所属機関: 1広島大学大学院整形外科学 2広島総合病院整形外科

ページ範囲:P.915 - P.919

文献購入ページに移動
 強直性脊椎骨増殖症(以下ASH)は1950年にForestierによって提唱されたが,ASHに合併した椎体骨折の報告は少ない.われわれはASHに伴う胸腰椎移行部椎体骨折の6例を経験したので報告する.手術時年齢は48歳から83歳(平均72歳),骨折高位はT11,L1骨折が各2例,T10,T12骨折が各1例ずつであった.4例に遅発性膀胱直腸障害や両下肢不全麻痺が生じた.3例に後方固定術を行った.残り3例に経椎弓根的に椎体形成術を施行したが,2例は効果なく前方固定術を追加した.本症の骨折は骨折部にストレスがかかり保存治療に抵抗性で,強固な固定術を要することが多かった.

参考文献

1)Burkus JK, Denis F:Hyperextension injuries of the thoracic spine in diffuse idiopathic skeletal hyperostosis. J Bone Joint Surg Am 76:237-243, 1994
2)Ghavam C, Kirkpatric JS:Extension-distraction fracture of the first lumbar vertebra. Spine 20:1080-1083, 1995
3)Forestier J, Lagier R:Ankylosing hyperostosis of the spine. Clin Orthop Relat Res 74:65-83, 1971
4)保村昌宏,末綱 太,戸館克彦・他:強直性脊椎骨増殖症を伴った脊椎損傷の2例.臨床リウマチ8:200-207, 1996
5)木村 敦,仲間季雄:胸腰椎圧迫骨折と診断された後,遅発性に転位が生じ,対麻痺を来した強直性脊椎骨増殖症の2例.臨整外39:701-704, 2004
6)三井 弘:いわゆるankylosing spinal hyperostosisとその鑑別診断について.整・災外25:963-968, 1982
7)Miyamoto K, Shimizu K, Hosoe H, et al:Spontaneous symptomatic pseudoarthrosis at the T11-T12 intervertebral space with diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:a case report. Spine 28:E320-322, 2003
8)Paley D, Schwartz M, Cooper P, et al:Fracture of the spine in diffuse idiopathic skeletal hyperostosis. Clin Orthop Relat Res 267:22-32, 1991
9)重信恵一,橋本友幸,江端 済・他:強直性脊椎骨増殖症に合併した腰椎椎体骨折の1例.臨整外32:803-806, 1997
10)曾爾顕子,加藤義治,伊藤達雄・他:第11胸椎圧迫骨折により遅発性脊髄麻痺を生じた脊椎強直性骨肥厚症の1例.関東整災誌26:471-475, 1995
11)田中伸哉,佐藤哲朗,小島忠志・他:強直性脊椎骨増殖症に生じたChance骨折・偽関節によって遅発性に脊髄麻痺をきたした1例.東北整災紀要37:315-319, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら