icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻8号

2006年08月発行

文献概要

症例報告

塩酸サルポグレラート(アンプラーグ®)が有効であった頚椎椎間板ヘルニアの2例

著者: 田島康介1 浦部忠久1 吉川寿一1 樋野忠司1 三戸一晃1

所属機関: 1足利赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.925 - P.928

文献購入ページに移動
 症例は長期に非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)等を服用していたが治療効果の得られなかった,頚椎椎間板ヘルニアと診断された41歳と47歳のいずれも女性であった.セロトニン受容体拮抗薬である塩酸サルポグレラートを投与したところ急速に症状が改善した.近年,難治性の疼痛性疾患に対するセロトニン受容体拮抗薬に関する報告が散見されるようになった.一方で,椎間板ヘルニアにおいては髄核の脱出は神経根の炎症を誘発し,疼痛誘発物質であるセロトニンが神経痛を引き起こすとされている.従来の投薬で効果の得られない頚椎椎間板ヘルニアに対して,本剤の投与は考慮に値するものと思われた.

参考文献

1)Cooper RG, Freemont AJ, Jenkins JPR, et al:Herniated intervertebral disc-associated periradicular fibrosis and vascular abnormalities occur without inflammatory cell infilitration. Spine 20:591-598, 1995
receptors. Neurosci Res 29:143-149, 1997
3)金山雅弘,橋本友幸,重信恵一・他:腰椎椎間板ヘルニアに対するセロトニン5-HT2受容体拮抗剤の臨床応用―発痛物質としてのセロトニンをターゲットとした新しい薬物治療.整・災外45:929-934, 2002
4)McCarron RF, Wimpee MW, Hudkins PG, et al:The inflammatory effect of nucleus pulposus;a possible element in the pathogenesis of low back pain. Spine 12:760-764, 1987
5)Okamoto K, Imbe H, Morikawa Y, et al:5-HT2 A receptor subtype in the peripheral branch of sensory fibers is involved in the potentiation of inflammatory pain in rats. Pain 90:133-143, 2002
6)Olmarker K, Rydevic B, Nordborg C:Autologous nucleus polposus induces neurophysiologic and histologic changes in porcine cauda equine nerve roots. Spine 18:1425-1432, 1993
7)Olmarker K, Blomquist J, Stormberg J, et al:Inflammatogenic properties of nucleus pulposus. Spine 20:665-669, 1995
)研究報告:38, 2002
9)Tokunaga A, Saika M, Senba E:5-HT2 A receptor subtype is involved in the thermal hyperagesic mechanism of serotonin in the periphery. Pain 76:349-355, 1998
)研究報告:31, 2005
)研究報告:32, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら