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連載 医者も知りたい【医者のはなし】 21
東京医学校ものがたり その1
著者: 木村専太郎12
所属機関: 1木村専太郎クリニック 2日本医史学会
ページ範囲:P.976 - P.978
文献購入ページに移動明治のはじめ,東京大学医学部の前身である東京医学校があった.江戸時代の西洋医学所が,明治維新後にいろいろの変遷を経て,明治7年(1874)に東京医学校となった.明治9年(1876)には東京本郷に移り,医学校本館が建てられた.その建物は長く東京大学医学部のシンボルとして存在していたが,昭和40年(1965)に解体され,44年(1969)に,小石川養生所のあった理学部付属植物園(小石川植物園)に再建された.現在でも東京大学総合研究博物館小石川分館として活用されている.東大の赤門とともに東京医学校本館は,昭和45年(1970)に重要文化財に指定されている.今回は,その東京医学校の歴史に至る江戸時代の様子を書いてみたい.
慶応3年(1867)10月に,第15代将軍徳川慶喜が大政奉還を行った.明治政府は江戸幕府直轄の従来の日本古来の伝統的医学を育ててきた(漢方)医学所,幕府の施療施設で「赤ひげ」で有名な小石川養生所,そして幕末に蘭学の流れを汲むお玉ヶ池種痘所に始まった西洋医学所を接収した.明治維新後に(漢方)医学所と小石川養生所は廃止された.
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