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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科41巻9号

2006年09月発行

文献概要

症例報告

乳児化膿性肩関節炎による肩関節消失の1例―34年後の上肢機能

著者: 矢部裕1 熊谷純1 小泉憲之1 川村正典1

所属機関: 1岩手県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.1033 - P.1037

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 乳児期に化膿性肩関節炎を発症し,その後34年を経過して肩関節の形態を失った症例の上肢の機能を分析した.症例は34歳の男性で,右に15cmの上腕の短縮,右肩に挙上90°の可動域制限がみられた.X線上肩甲上腕関節は消失し,MRI上肩関節は瘢痕組織により置換されていた.小児化膿性肩関節炎の機能的予後は良好であるとされているが,本症例では骨髄炎による上腕長の短縮と肩関節の消失による高度の機能障害が残った.しかし患肢は非利き手として,日常生活に支障のない程度の機能を有していた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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