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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻1号

2007年01月発行

文献概要

症例報告

術中肺血栓塞栓症を来した大腿骨頚部骨折の1例

著者: 古矢丈雄1 常泉吉一1 池田修1 丸田哲郎1 見目智紀1 池川直志1 大井利夫1 大津敏2 遠井亨3

所属機関: 1上都賀総合病院整形外科 2上都賀総合病院麻酔科 3獨協医科大学付属病院救命救急センター

ページ範囲:P.69 - P.74

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 80歳の女性で,大腿骨頚部骨折術中に肺血栓塞栓症を来した1例を報告する.発症早期より本症を疑い,迅速な治療を施行したことで救命することができた.術中動脈圧モニターは急変の早期発見に有用であった.本症例における肺血栓塞栓症発症リスク因子として,服用していた抗血小板薬の術前休薬および手術までの待機期間が挙げられる.静脈血栓塞栓症の兆候がなくとも抗血小板薬・抗凝固薬内服症例,中でも下肢外傷により術前安静臥床を要する症例では術前から予防策を講じる必要があると考えた.

参考文献

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2)笠貫 宏,青崎正彦,池田康夫・他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2002-2003年度合同研究班報告)ダイジェスト版 循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン.日本冠疾患学会雑誌 11:1-10, 2005
3)川島康男,瀬尾憲正,巌 康秀・他:術中致死的肺塞栓の状況―日本麻酔科学会麻酔関連偶発例調査より―.日臨麻会誌 23(4):98-109, 2003
4)黒岩政之,古家 仁,瀬尾憲正・他:2003年周術期肺血栓塞栓症発症アンケート調査結果からみた本邦における発生頻度とその特徴.麻酔 54:822-828, 2005
5)松本興治,広瀬 一,林 勝知・他:術後深部静脈血栓症に関する研究.静脈学 5:163-170, 1994
6)日本血栓止血学会:肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン.メディカルフロントインターナショナルリミテッド,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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