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誌上シンポジウム 外傷性頚部症候群―最近の進歩
特集にあたって
著者: 馬場久敏123
所属機関: 1福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域 2「日本整形外科学会学術プロジェクト委員会・外傷性頚部症候群の病態解析に関する検討部会」 3「日本脊椎脊髄病学会プロジェクト委員会・外傷性頚部症候群作業部会」
ページ範囲:P.962 - P.963
文献購入ページに移動外傷性頚部症候群は時に永続的あるいは時間軸で変移する多彩な病像を呈する.本邦においては年間20万人程もの人々が交通外傷や産業外傷などでこの傷病名を賦与されるとも言われている.病態の診断はケベック分類に則してなされることもあるが,実際の病状は決してそれに則しているわけではなく,病態の解析には整形外科学以外に神経精神医学,平衡感覚分析医学,cognitive neuroscience,加えて生体運動力学や行動心理学,交通安全医学,などをも含めた広領域研究が必要である.すなわち,病態解析の著しい困難性や医科学的アプローチを省略することなく,またいわゆる“compensatory disease”や“waste-basket syndrome”にカテゴライズしてしまうことをせず,きちんとした医科学的な基礎および臨床研究が必要である.
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