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著者: 富田勝郎
所属機関:
ページ範囲:P.1066 - P.1066
文献購入ページに移動医療の現場は今,未来不安定なものである病気の治療を前にして,患者の過大な期待と医師本来の献身的な使命感が打ち砕かれそうな風潮との狭間で疲れ切っています.さらに医療費抑制政策をなんとか凌ごうとする必死の病院経営努力をあざ笑うかのように,医療制度も急激に地盤沈下しつつあります.「こんな医療でいいのか日本!」と,医師会側からも大学病院側からも,整形外科方面からも“生の声”を届けたい気持ちです.今の日本,健康は水と同じく確保されているかのように錯覚し,病気を治すのには車を直すよりも金をかけない…,医療費も安ければ医師の技量評価も安すぎます.もっと技量評価を正当に行い,医療の原価計算もやりなおして,報われるようにすべきだと思うのですが…,「現場は医療崩壊現象が起こっている」とおっしゃっている舛添氏のこと,“医療政策の流れ”の一部でも変えてほしい,と願ってしまうのは小生だけでしょうか.と思っていたところ早速,今月号の視座に「開業医から見た,日本の整形外科医療の現状と今後」という貴重な意見(川岸先生)が寄せられました.さっそく今月号を国会や舛添氏に届けたらいかがでしょうか.
また,このところにわかにメディアで話題になっている「脳脊髄液減少症」に関係して,ついに外傷性頚部症候群の誌上シンポジウムとしてその具体的な姿が現されてきました.日整会,日本脊椎脊髄病学会などが努力して「真実は何か?」を追求し,冷静に立ち向かっている姿を感じます.
そのほかいつもながら各分野,各切り口からの寄稿に感謝いたします.
まあカリカリせずに食欲の秋,読書の秋,スポーツの秋を楽しみましょうか….
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