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医療専門家が医療政策に提案を
著者: 秋山典彦1
所属機関: 1川崎協同病院
ページ範囲:P.1069 - P.1069
文献購入ページに移動1980年以降,医療費抑制政策が進められ医療施設間競争が激化し,医師の労働環境は増悪した.施設間競争の激化は採算性重視となり医師の「誇り」を侵し,医療の安全性・患者本位性に対する対応の遅れと患者負担の増加は国民の医療に対する不信をもたらし,治療の成果を共有する「喜び」を喪失させてきた.国は歴史的に未分化で在院日数の長い日本の病院を長期間放置してきたが,医療費抑制策のなかで政策の転換を短期間に強引に推し進めている.このために病院の倒産が急激に増加し,医療施設間競争はさらに激化し採算性重視の医療となり,医師の倫理をゆがめ始めている.
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