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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻12号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

アミトリプチリンが有効であった両肩後面・両臀部・両大腿後面における診断不能の慢性痛の1例

著者: 戸田克広1

所属機関: 1広島県立身体障害者リハビリテーションセンターリハビリテーション科

ページ範囲:P.1237 - P.1240

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 線維筋痛症(FM)に類似しているがFMの診断基準を満たさない診断不能の慢性痛にアミトリプチリンを投与すると疼痛が消失し,治療中止後1年1カ月が経過しても疼痛は消失したままであった.アミトリプチリンは頭痛を除く神経因性疼痛に最も有効な薬物と考えられている.しかも,日本で使用できる薬物の中でFMに有効である証拠の最も強い薬物でもある.FMに類似の疼痛を訴える患者が通常の治療に反応しない場合には,FMと同じ治療が選択肢となり得る.FMの治療に精通していれば,診断不能の慢性痛も治療可能である.

参考文献

1)Burckhardt CS, Goldenberg DL, Crofford LJ, et al:Guideline for the management of fibromyalgia syndrome pain in adults and children. Glenview, American Pain Society, 2005
2)Saarto T, Wiffen PJ:Antidepressants for neuropathic pain, Cochrane Database Syst Rev, CD005454, 2005
3)戸田克広,丸石正治:線維筋痛症.最新精神医学 11:65-73, 2006
4)戸田克広:線維筋痛症.整形外科 57:745-753, 2006
5)Toda K:The prevalence of fibromyalgia in Japanese workers. Scand J Rheumatol 36:140-144, 2007
6)Wolfe F, Smythe HA, Yunus MB, et al:The American College of Rheumatology 1990 Criteria for the Classification of Fibromyalgia. Report of the Multicenter Criteria Committee. Arthritis Rheum 33:160-172, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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